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採用にSNSを使うときの費用|求人媒体と比較

採用にSNSを使うときの費用|求人媒体と比較

先に結論です。採用にSNSを使うときの費用は、月額いくらという一つの数字では決まりません。制作費・運用費・広告費・社内工数の4つを足して初めて実費が見えます。そして求人媒体と比べる軸は「月額の安さ」ではなく、1人あたりの採用単価を何か月で見るかです。

この記事は、年に数名以上を継続して採用する中小企業・店舗を前提に書いています。急ぎで1名だけ採りたい場合は、後半の判断基準の章をご覧ください。記事中の金額は相場データではなく、計算の手順を示すための仮定に基づく試算です。自社の見積額を入れ替えてお使いください。

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SNS採用の費用は4項目に分解して数える

この章の要点

SNS採用の費用は「制作・運用・広告・社内工数」の合計です。見積書に載るのは上2つだけのことが多く、広告費と社内工数を足し忘れると、後から予算が足りなくなります。

4項目の中身は次のとおりです。何にいくら使っているかを分けて記録すると、翌期の判断材料になります。

項目 含まれるもの 発生のしかた
制作費 企画構成、撮影、編集、アカウント設計、プロフィールや固定投稿の整備 立ち上げ時に厚く、運用期は本数に応じて変動
運用費 投稿設計、コメント・DM対応の設計、分析と改善、月次報告 毎月固定で発生しやすい
広告費 投稿のブースト、求人動画の配信、地域・年齢を絞った配信 出した分だけ消化。止めれば露出も止まる
社内工数 撮影の立ち会い、出演者の調整、確認と承認、応募者への一次返信 外注しても必ず残る。時間×人件費単価で金額化する

社内工数は金額化しないと比較できません。計算は単純で、月の作業時間 × 担当者の時間単価です。例えば月15時間、時間単価3,000円なら月4.5万円です。撮影日は半日拘束になることもあるため、担当者の実感より多めに見ておくと計画が崩れにくくなります。

内製と外注では、同じ予算でも減るものが違う

内製は外部への支払いが減りますが、社内工数が増えます。外注は支払いが増えますが、企画と編集の時間が減ります。どちらが得かは、担当者の時間単価と、手が空いているかで変わります。

  • 撮影・編集を担当できる人が社内にいるか(本業の時間を削らずに済むか)
  • 出演を頼める社員がいるか、断られたときの代案があるか
  • 投稿の承認に何人の確認が必要か(人数が多いほど投稿頻度が落ちる)
  • 応募が来たとき、何時間以内に返信できる体制か

外注から内製に切り替える前提で始めるなら、最初から引き継ぎを想定した進め方が要ります。当社ではこの進め方を内製化支援(SODATSU)として扱っています。費用の考え方はSNS運用代行の費用と業務範囲の記事も参考になります。

求人媒体・人材紹介とは費用の「消え方」が違う

この章の要点

求人媒体と人材紹介は、支払いを止めると露出も止まります。SNSは投稿が残り、過去の動画から応募が来ることがあります。ただし立ち上がりに時間がかかり、途中でやめると残るのは投稿だけです。

比較軸 求人広告(掲載型) 人材紹介 SNS採用
課金のしかた 掲載期間・枠に応じて前払い 入社時の成功報酬(年収×料率が一般的) 制作・運用の月額+広告費+社内工数
採用できなかったとき 費用は戻らないことが多い 発生しない(契約により返金規定あり) 費用は発生する
止めたときの影響 露出が止まる 紹介が止まる 新規露出は落ちるが投稿は残る
応募が出るまで 掲載直後から 条件が合えば比較的早い 数か月かかることが多い
向く場面 期日が決まった募集 専門職・管理職の単発採用 継続採用、現場の雰囲気が売りの職種

人材紹介の料率は会社ごとの手数料表と契約で決まります。自社が何%で契約しているかは、契約書を確認してください。年収が上がるほど金額も上がるため、同じ1名でも職種によって負担が大きく変わります。

比較の基準になる数字

自社の採用単価が高いのか低いのかは、外部の調査が目安になります。マイナビの「中途採用状況調査2025年版(2024年実績)」では、1社あたりの年間中途採用費用の平均は650.6万円、平均採用人数は20.8人でした。この2つを単純に割ると約31万円です(当社による計算)。

同社の「中途採用状況調査2026年版(2025年実績)」では、平均採用人数が12.3人に下がっています。採用人数が減れば、同じ費用でも1人あたりは上がります。「媒体費が高い」ではなく「1人あたりが上がっている」という見方で自社の数字を並べ直すと、議論がかみ合いやすくなります。

会議室で資料を広げて採用計画を話し合う中小企業のスタッフ
写真:Alena Darmel/Pexels

1人あたり採用単価の計算式と12か月の試算

計算式はこれだけです。

  1. 外部費用を足す
    掲載料、紹介手数料、制作費、運用費、広告費を期間で合計します。
  2. 社内工数を金額にする
    作業時間×時間単価。面接や応募対応の時間も入れます。
  3. 採用人数で割る
    採用単価=(外部費用+社内工数)÷ 採用人数。
  4. 定着で割り直す
    1年定着率が50%なら、実質の単価は2倍になります。ここまで見ると手法の差が出ます。

以下は仮定に基づく試算です。実際の見積や成果ではありません。店舗・現場職で年に数名採る前提とし、担当者の時間単価は3,000円としました。

項目 求人広告のみ(1年目) SNS採用(1年目) SNS採用(2年目)
初期制作 0円 30万円 0円
月額運用 20万円×12=240万円 15万円×12=180万円 15万円×12=180万円
広告費 0円 5万円×12=60万円 5万円×12=60万円
社内工数 月5時間=18万円 月15時間=54万円 月10時間=36万円
合計 258万円 324万円 276万円
採用人数(仮) 6人 4人 8人
1人あたり 43万円 81万円 34.5万円

この試算が示すのは金額の正しさではなく、比較する期間を変えると結論が変わるという点です。1年目だけを見れば求人広告が有利に出ます。2年目は初期制作が不要になり、過去の投稿からの流入が足し算されるため、同じ費用でも人数が伸びる可能性があります。

見落としやすい点

この表の「採用人数(仮)」は、当社が計算例として置いた数字です。実際の人数は職種、地域、時給や待遇、動画の内容で変わります。社内で使うときは、自社の直近1年の応募数と採用数を入れて計算し直してください。

途中で判断するための中間指標

採用は人数が出るまで時間がかかるため、月次では手前の数字を見ます。応募数、応募単価(期間費用÷応募数)、面接設定率、採用数の4つを同じ表で追うと、どこで詰まっているかが分かります。再生数やフォロワー数だけを報告に入れると、費用の判断ができません。

スマートフォンで働くスタッフの様子を撮影している店舗の現場
写真:Ketut Subiyanto/Pexels

既存の採用予算からの振り分け方

この章の要点

いきなり全額を移さず、既存の採用予算の一部を切り出して、立ち上げ期と運用期で配分を変える進め方が現実的です。

配分の考え方の一例です。数字は固定の推奨値ではなく、議論の出発点として置いたものです。

時期 求人媒体・紹介 SNS採用 この時期にやること
0〜3か月(立ち上げ期) 8割 2割 撮影ルール、出演同意、投稿の型づくり。欠員補充は媒体で埋める
4〜9か月(検証期) 6〜7割 3〜4割 応募経路の記録を開始。どの動画から応募が来たかを残す
10か月以降(運用期) 応募経路の実績で決める 応募経路の実績で決める 応募単価が低い方に寄せる。媒体はゼロにせず、急な欠員用に残す

応募経路の記録は、応募フォームに「どこで知りましたか」の選択肢を置くだけでも始められます。これがないと、1年経っても配分の判断材料が残りません。

SNSが向く求人・向かない求人

費用の前に、そもそも合うかどうかを確認します。次の項目に多く当てはまるほど、SNS採用に予算を割く意味が出ます。

  • 年間を通じて複数名を採用する(単発の補充ではない)
  • 応募してほしい層が20〜30代である
  • 仕事の内容や職場の様子が、映像で伝わる
  • 通勤圏が限られる職種で、地域を絞った配信が効く
  • 出演に協力できる社員がいて、撮影の時間を確保できる
  • 応募に数時間〜翌営業日で返信できる

一方、次の場合は求人媒体や人材紹介を軸にしたほうが、期日に間に合います。

  • 今月中に1名だけ採りたい
  • 資格や経験が限定される専門職・管理職をピンポイントで探している
  • 顧客情報や施設の都合で、職場を撮影しにくい
  • 投稿の承認に複数部署の確認が必要で、公開まで数週間かかる
見落としやすい点

出演した社員が退職した場合の動画の扱いを、撮影前に決めておきます。公開を続ける範囲、本人から申し出があったときの対応、削除までの期限を書面にしておくと、退職時の対応で迷う時間を減らせます。同意書は撮影ごとに取り直す運用にすると、範囲のずれを防げます。

相談する前に社内で決めておくこと

見積を取る前にこの5つを決めておくと、比較できる見積が集まります。

  1. 採用したい職種と人数、期限
    「年内に現場スタッフ4名」のように、数と期日を書きます。
  2. 今の採用単価
    直近1年の採用費用と採用人数を割った数字を出します。比較の基準になります。
  3. 出せる予算と、その内訳
    制作・運用・広告・社内工数のどこまで出せるかを分けます。
  4. 撮影できる範囲
    撮影可能な場所、出演できる人、映してはいけないものを先に決めます。
  5. 評価する期間と指標
    何か月後に、応募数と採用単価のどこまで出ていれば継続するかを決めます。

媒体ごとの向き不向きは、応募してほしい層で変わります。短尺動画で現場の様子を届ける設計はTikTok運用代行のページ、プロフィールや保存される投稿から応募につなげる設計はInstagram運用代行のページにまとめています。支援内容と費用の見方はTikTok採用コンサルの記事でも整理しました。

「媒体費が上がっているが切り替えてよいか」「立ち上げに何か月、いくら見ておくべきか」といった段階での相談も受け付けています。自社の採用単価と撮影できる範囲を持参いただくと、具体的な話ができます。お問い合わせ(平日10:00〜19:00)またはこれまでの実績・事例をご確認ください。

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