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撮影込みのSNS運用はいくら違うか|内製撮影との費用比較

撮影込みのSNS運用はいくら違うか|内製撮影との費用比較

結論から書きます。撮影込みと素材支給(撮影なし)の料金差は、出張回数・1回の拘束時間・当日の人員・機材・編集本数で決まります。月額の差額を「その月に撮れる本数」で割ると、1本あたりの撮影単価が出ます。この単価と、社内で撮った場合の工数換算コストを並べるのが判断の軸です。

前提を先に書きます。この記事に出てくる金額は、相場を示すものではありません。計算の考え方を示すための仮定に基づく試算です。実際の判断は、自社が受け取った見積の数字に入れ替えて行ってください。

この記事で分かること

見積内訳のどこが撮影で増えるか/社内撮影の総コストの出し方/内製に切り替える判断ライン/企画と編集だけ外注するハイブリッド型の分担と契約確認項目。

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撮影込みと素材支給で、見積のどこが変わるか

同じ「月12本の運用」でも、見積の行は別物です。撮影込みは、制作費に加えて人の移動と拘束に対する費用が乗ります。ここを分けて見ないと、高い安いの判断ができません。

工程 素材支給プラン 撮影込みプラン 金額が動く理由
戦略設計・アカウント設計 含む 含む 撮影の有無では大きく変わらない
月次の企画・台本 含む 含む 撮影込みは香盤表の作成が増えることがある
撮影ディレクション なし(指示書の提供にとどまる) 当日の進行役が付く ディレクターの拘束時間に比例
カメラマン・アシスタント なし 人日で計上 人数×日数。2名体制か1名かで差が出る
機材 なし カメラ・照明・音声・レンタル分 屋内の照明や外部マイクを足すと増える
交通費・出張費 なし 実費または定額 拠点数と距離。地方は宿泊が乗る
編集 本数で計上 本数で計上 撮影の有無より、尺と修正回数で動く
投稿・コメント対応・レポート 含む 含む 撮影の有無では変わりにくい

注目すべきは、変動するのは中央の4行だけという点です。戦略・企画・編集・運用は、素材が社内から出ても外から来ても必要です。だから「撮影をやめれば月額が半分になる」とは限りません。

見落としやすい点

素材支給プランは、社内の撮影工数が見積に載らないだけです。費用が消えたのではなく、自社の人件費に移っています。比較するときは、消えた分を自社側に書き戻してください。

撮影1本あたりの単価を出す5つの変数

撮影費は、次の5つでほぼ説明できます。見積に内訳が書かれていなければ、この5点を質問すると構造が見えます。

  1. 月あたりの出張回数を聞く
    月1回のまとめ撮りか、毎週かで費用は大きく変わります。回数は最も効く変数です。
  2. 1回の拘束時間の上限を聞く
    半日(4時間)か終日(8時間)か。延長時の単価も合わせて確認します。
  3. 当日の人員構成を聞く
    ディレクター1名か、カメラマン+アシスタントの2名以上か。人数分の人日が積まれます。
  4. 機材の範囲を聞く
    スマートフォン中心か、一眼・照明・外部マイクまで含むか。レンタル費の有無も確認します。
  5. 1回で撮れる本数の目安を聞く
    ここが単価計算の分母です。「終日で何本分の素材を押さえる想定か」と聞きます。

この5点がそろえば、次の式で1本あたりの撮影単価が出ます。

(撮影込みの月額 − 素材支給の月額)÷ その月の納品本数 = 1本あたりの撮影上乗せ額

たとえば差額が9万円で月12本なら、1本あたり7,500円です。差額が9万円でも月24本なら3,750円になります。本数が増えるほど、外注撮影の1本単価は下がります。撮影込みが割高に見えるケースの多くは、回数が多いのに本数が少ない設計です。

店内でスマートフォンを三脚に固定し料理を撮影している様子
写真:Ron Lach/Pexels

社内撮影の総コストを工数で出す

内製撮影は「0円」ではありません。担当者の時間と機材費がかかります。まず時間単価を決めます。

厚生労働省の毎月勤労統計調査2025年平均(確報・事業所規模5人以上)では、一般労働者の月間現金給与総額は46万5,923円でした。月160時間の稼働とすると、時給換算で約2,900円です。これに会社負担の社会保険料などが乗るため、ここでは人件費の時間単価を3,500円と仮定して試算します。自社の実額が分かる場合は置き換えてください。

仮定に基づく試算:1拠点・月12本を社内で撮る場合

作業 月の時間(仮定) 金額(3,500円/時)
企画確認・香盤作成 2時間 7,000円
出演者・店舗との日程調整 1時間 3,500円
撮影当日(4時間×2名) 8時間 28,000円
素材の整理・共有 2時間 7,000円
撮り直し・追加撮影 2時間 7,000円
機材の初期費用(8.4万円を12か月で按分) − 7,000円
合計 15時間 約59,500円/月

1本あたり約4,960円です。つまり、見積の差額から算出した外注の1本単価がこれを上回るなら、内製を検討する余地があります。下回るなら、外注のまま進めたほうが社内の時間を他に使えます。

工数を0円で計算しないために

「もともと給料を払っている社員だから追加費用はない」と考えると、比較になりません。その15時間で別の業務ができたはずなので、機会費用として積んでください。特に店長が撮る場合、営業時間を削って撮っていないかを確認します。

月間本数と拠点数で見る損益分岐

撮影を内製に寄せるかどうかは、本数と拠点数でおおよその向き不向きが分かれます。以下はすべて仮定に基づく試算です。時間単価3,500円、機材は1拠点あたり初期8.4万円を12か月按分として計算しています。

条件 社内撮影の月額換算(仮定) 1本あたり 読み方
1拠点/月8本/月1回撮影 約52,500円 約6,560円 本数が少なく単価が落ちない。外注の撮影込みが有利になりやすい
1拠点/月12本/月1回撮影 約59,500円 約4,960円 見積の差額次第。要比較のゾーン
1拠点/月24本/月2回撮影 約98,000円 約4,080円 まとめ撮りが機能すれば内製が効いてくる
3拠点/月24本/各拠点で撮影 約152,000円 約6,340円 内製も単価は上がるが、外注は出張3回分が乗るため差が縮まりにくい

この表から言えることは3つです。

  • 月8本以下で1拠点なら、撮影込みの外注を続けるほうが社内の負担は軽い
  • 月20本を超え、同じ場所でまとめ撮りできるなら、内製の1本単価は下がりやすい
  • 拠点が複数で、各地に出張が発生する運用ほど、出張費のかからない社内撮影の相対的な優位が出る

ただし、内製に切り替えると担当者が辞めた瞬間に止まるというリスクを抱えます。試算では見えないので、撮れる人を2名以上つくれるかを別途判断してください。外注から社内へ移す手順そのものは、SNS運用を外注から内製に切り替える手順の記事で段階分けして整理しています。

社内撮影で品質を落とさない最低条件

内製が失敗するのは、たいてい金額の計算ではなく撮影条件の作り込み不足です。最低限、次がそろっているかを確認してください。

  • 撮影場所の明るさが一定である(窓際で時間帯により色が変わる場所は避ける)
  • 外部マイクを使い、店内BGMや空調音が声にかぶらない状態をつくれる
  • 三脚かジンバルで固定し、手持ちの揺れを前提にしない
  • 構図とカット割りを指示書で受け取り、当日その場で考えない
  • 1回の撮影で複数本分をまとめ撮りする段取り表がある
  • 撮影した素材を外注先へ渡す置き場(共有ストレージ)と命名ルールが決まっている
  • 従業員や来店客が映る場合の同意の取り方を、事前に文書で決めている

特に音声は、撮り直しの最大要因になりやすい項目です。映像のブレは編集で多少吸収できますが、音は後から直しにくいためです。再撮が月2回発生すると、先ほどの試算は簡単に崩れます。

照明とカメラを設置して社内でインタビュー撮影を行う様子
写真:Caleb Oquendo/Pexels

ハイブリッド型:撮影だけ社内に戻す分担表

全部を内製にする必要はありません。企画と編集は外注のまま、撮影だけ社内に移す形は、コストと品質の折り合いをつけやすい選択肢です。分担を文書で固定してから始めます。

工程 担当 決めておくこと
月次企画・台本 外注 何日までに撮影指示書を出すか
撮影指示書(構図・尺・セリフ) 外注 カット数と1本あたりの想定秒数
撮影 社内 撮影担当の氏名と代理者、撮影日の固定曜日
素材の受け渡し 社内→外注 共有先・ファイル命名・納品期限
編集・テロップ・音源選定 外注 修正回数の上限
投稿・コメント対応 要相談 一次対応の時間帯と、判断に迷う投稿の確認先
月次レポート・次月企画 外注 撮り直しが必要な場合の連絡期限

この形で起きやすいのは、素材の遅延で編集が止まることです。撮影日と素材提出日を月初に固定し、遅れた場合は翌月に繰り越すのか本数を減らすのかを、あらかじめ決めておくと進行の滞りを減らせます。

契約前に確認する項目

  • 月額に含まれる撮影回数と、1回の拘束時間の上限
  • 回数超過・時間延長が発生したときの追加単価
  • 交通費・出張費・駐車場代の負担区分と、遠方時の宿泊費の扱い
  • 店舗都合や天候による当日中止・延期の費用負担
  • 撮り直しの費用負担(品質起因か、依頼側の指示変更か)
  • 未編集素材の納品有無、形式、保管期間
  • 撮影素材の著作権と利用範囲(広告転用・他媒体への二次利用・契約終了後の使用可否)
  • 出演する従業員や顧客の同意取得を、どちらが責任を持つか
  • 編集本数の上限と、修正の回数
  • 解約時に素材・アカウント権限・投稿データをどの手順で引き渡すか
解約時にもめやすい点

未編集素材の返却ルールを契約書に書いていないと、撮りためた素材を使えないまま運用を止めることになります。引き渡しの期限・形式・窓口を一文で決めておくと、引き継ぎ時の取りこぼしを防げます。

判断を進める順番

最後に、今日からできる進め方をまとめます。見積を2本取るところから始めると、議論が数字の話になります。

  1. 同じ条件で2種類の見積を依頼する
    「月◯本・撮影込み」と「月◯本・素材支給」を、同じ本数と同じ尺で出してもらいます。
  2. 差額を本数で割る
    1本あたりの撮影上乗せ額を出します。これが外注側の単価です。
  3. 自社の工数を時間で書き出す
    準備・当日・整理・撮り直しを時間で見積もり、自社の時間単価を掛けます。機材の初期費も按分して足します。
  4. 2つを並べ、差が2割以内なら外注のままにする
    差が小さいうちは、社内に移す手間とリスクに見合いません。明確に内製が下回るときだけ切り替えます。
  5. 切り替えるなら、まず撮影だけ3か月試す
    企画と編集は外注に残し、撮影の工数と再撮率を実測します。想定より時間がかかるなら戻せる形にしておきます。

当社では、Instagram・TikTokの運用代行に加えて、社内で運用を回せるようにする内製化支援(SODATSU)を行っています。撮影を外注し続けるか社内に移すか、ハイブリッド体制をどう組むかで迷っている場合は、現在の見積と投稿本数をお持ちいただくと具体的に検討できます。

受付時間は平日10:00〜19:00(土日祝・年末年始を除く)です。

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