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競合アカウントの分析方法|真似すべき点の見極め

競合アカウントの分析方法|真似すべき点の見極め

競合アカウントの分析は、見る項目を先に決めると短時間で終わります。結論は、比べる相手を3〜5件に絞り、全件を同じ項目で記録し、真似する範囲を「型」に限ることです。

この記事は、自社でSNSを運用する店舗責任者・マーケティング担当者に向けて、分析から投稿案までの流れを4工程で整理しました。前提として、外部から見える数値は限られます。Instagramの保存数やリーチ、各社の広告費は、他社アカウントからは確認できません。見えない数字を推測して戦略を組まない、という線引きが出発点になります。

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結論:競合分析は「選ぶ→比べる→線を引く→落とす」の4工程

工程を分けないまま競合を眺めると、「なんとなく面白そうな投稿」を単発で真似して終わります。次の4つに分けると、どこで手が止まっているかが分かります。

  1. 選ぶ
    比較対象を3〜5件に絞る。基準を文章で残す。
  2. 比べる
    全件を同じ項目で記録し、伸びた投稿を「型」に分解する。
  3. 線を引く
    取り入れる要素と、取り入れない要素を先に決める。
  4. 落とす
    自社の事実に置き換えた投稿案にし、検証の指標を付ける。
この章の要点

分析の目的は、他社に似せることではありません。自社が次に出す投稿の仮説を、根拠つきで決めることです。工程ごとに成果物(リスト・比較表・投稿案)を決めておくと、担当者が替わっても続けやすくなります。

工程1:比較する競合アカウントの選び方

最初に外しやすいのが、相手の選定です。フォロワーが多いだけのアカウントを並べても、自社に移せる要素はほとんど出てきません。次の3区分で、合計3〜5件に絞ります。

区分 選ぶ基準 見る目的
直接競合 商圏・価格帯・客層が重なる同業 訴求の重なりと、空いているテーマを見つける
近接業種 客層は同じで商材が違う(例:美容室と整体院) 来店・予約への導線の作り方を借りる
表現の参考 業種は違うが、撮影体制が自社と近い 1人撮影や店内撮影でも成立する構成を学ぶ

選定時は、規模の差も条件に入れます。専任チームと撮影スタジオを持つアカウントは、構成は参考になっても、本数と編集量はそのまま再現できません。自社と体制が近い相手を最低1件は入れておくと、実行可能な案が出やすくなります。

  • 直近3か月に継続して投稿しているか(更新停止中のアカウントは除外)
  • 商圏・客層・価格帯のいずれかが自社と重なるか
  • 投稿本数が自社の2〜3倍以内か(桁違いの相手は別枠で扱う)
  • 広告を使っているか(Meta広告ライブラリで配信中の広告を確認できます)
  • 選んだ理由を1行で書けるか

広告クリエイティブを見たい場合、Metaの広告ライブラリでは配信中の広告を広告主名やキーワードで検索できます。配信が終わった広告は原則表示されない点に注意してください。TikTok側は、TikTok for Businessが提供するクリエイティブセンターで、業種や期間を絞って成果の高い広告事例を無料で閲覧できます。広告の事例は、通常投稿の企画を考えるうえでも訴求の参考になります。

ホワイトボードを使って競合の比較項目を話し合う担当者たち
写真:Anna Shvets/Pexels

工程2:比較項目を揃え、伸びた投稿を「型」に分解する

件数を絞ったら、全件を同じ項目で記録します。項目がそろっていないと、後で比較ができません。アカウント単位と投稿単位の2層で見ます。

アカウント単位で記録する項目

項目 記録の仕方 何の判断に使うか
プロフィール文 誰向け・何の店・次の行動の3要素があるか 自社プロフィールの不足点
投稿頻度 直近30日の本数(日付をメモ) 自社が置ける本数の目安
投稿形式の比率 動画・静止画・複数枚の割合 制作工数の配分
テーマの構成比 直近20本をテーマ別に分類 空いているテーマの発見
導線 プロフィールのリンク先と遷移後の画面 自社の予約・問い合わせ導線の改善
コメント対応 返信の有無と文面の傾向 運用ルールの参考

伸びた投稿を分解する手順

各アカウントで反応の多い投稿を3本ずつ選び、次の順に言語化します。感想ではなく、再現できる単位まで割るのが目的です。

  1. 冒頭の提示を書き出す
    最初の1〜2秒、または1枚目で何を言っているか。数字・疑問・結論のどれで始まるかを記録します。
  2. 情報の順番を並べる
    問題提起→具体例→結論、のように番号で書きます。ここが「型」の中心です。
  3. 画面に映るものを書く
    人・手元・商品・店内のどれが主役か。テロップ量と話速もメモします。
  4. 尺と区切りを測る
    全体の秒数と、場面が切り替わる回数を数えます。
  5. 締めの一文を記録する
    保存を促すのか、来店を促すのか、何も言わないのか。
  6. 自社で再現できるかを3段階で評価する
    そのまま可/条件付き可/不可。不可の理由も1行で残します。
見落としやすい点

他社の反応数は、公開されている指標しか見えません。Instagramでは保存数やリーチ、プロフィール遷移数は外部から確認できず、いいね数やコメント数が中心になります。見える数値だけで「売上につながった投稿」と断定しないでください。判断はあくまで仮説として扱い、自社の指標で検証します。指標の置き方はTikTokのKPI設計手法の記事も参考にしてください。

工数の目安として、仮定に基づく試算を示します。競合5件×上位3投稿=15本、1本あたり8分で分解すると約2時間です。これにアカウント単位の記録30分を足して、月2.5時間ほど。月次の定例に組み込める範囲に収まる設計にしておくと、継続しやすくなります。

工程3:真似してよい要素と、真似すべきでない要素

線引きの基準は2つです。「著作物をそのまま使っていないか」と「自社の体制・業態で成立するか」。この2点で分けます。

要素 扱い 理由と条件
情報の並べ方・構成の型 取り入れやすい 著作権法が保護するのは表現であり、アイデアや一般的な構成自体は保護の対象外とされています
切り口・テーマの選び方 条件つき 自社の商品・実例に置き換えること。他社の事例を自社のものとして語らない
投稿頻度・曜日の配分 条件つき 自社の撮影・確認体制で3か月続く本数か検証してから採用
台本やキャプションの文面をそのまま使う 避ける 文章は著作物になり得ます。複製・翻案にあたる可能性があります
他社の写真・動画・図解の流用 避ける 権利者の許諾がなければ使えません。スクリーンショットの転載も同様です
他社の商品名・比較表現での名指し 避ける 優劣の断定は、表示や信用に関わる指摘を受けることがあります
特定の人物の知名度に依存する企画 要検討 出演者が替わると成立しません。自社に同条件の人材がいるかで判断
広告費を前提にした露出施策 要検討 到達の一部が広告由来の可能性があります。自社の予算枠で再現性を確認
来店体験や設備が前提の企画 要検討 業態差で再現できないことがあります。代替となる自社の強みに置き換える

参考として引用したい場合は、著作権法に引用の規定があります。ただし、出所の明示や、引用部分と自社の記述が区別できることなど、満たすべき条件があります。判断に迷う素材は使わず、自社で撮り直すほうが運用は止まりません。契約で素材の扱いを決めている場合は、二次利用の範囲を社内で確認する手順を先に決めておくと、担当交代時の取りこぼしを防げます。

机の上でノートにチェック項目を書き出して整理している様子
写真:freestocks.org/Pexels

工程4:分析結果を自社の投稿案に落とす

分析で止まる原因は、成果物が「気づきのメモ」で終わることです。次のフォーマットに書き換えると、そのまま撮影指示になります。

欄 書く内容(企画例:整体院の場合)
借りた型 競合Bの「症状の提示→原因→来院前の目安」の3段構成
自社の事実 自院で多い相談内容と、施術前に確認している項目
冒頭の一言 「朝、起き上がるときに腰が痛む方へ」
構成 症状の提示5秒→よくある生活習慣10秒→来院時に確認する流れ10秒
画面 施術者の上半身と手元。テロップは1画面12文字以内
締め プロフィールの予約リンクの場所を案内
検証指標 視聴維持率と、プロフィール遷移数を2週間で比較
真似しない点 競合Bが使う院内の大型機材の映像(自院に同設備なし)

上記は説明のための企画例で、特定の支援実績ではありません。医療・施術の分野では、効果を断定する表現や体験談の扱いに制約があります。表現の可否は、所管の指針と自院の方針に沿って確認してください。

検証は、1回の投稿で判断しないことが前提です。同じ型で3本出し、自社の数値と比較します。型を変えるのか、題材を変えるのかを分けて試すと、原因が切り分けられます。

分析を続ける仕組みにする

競合分析は、単発でやると数週間で情報が古くなります。続けるために決めておく項目は3つです。

  • 頻度と担当:月1回、誰が何時間使うかをカレンダーに入れる
  • 保存場所と書式:比較表と投稿案を同じ場所に置き、前月分と並べて見られるようにする
  • 見直し条件:競合リストは四半期ごとに入れ替えを検討する(更新停止・方向転換した相手は外す)

社内で回し切れない場合は、最初の設計だけ外部と組み、運用は自社で続ける方法もあります。株式会社友竹ホールディングスでは、InstagramとTikTokの運用代行に加え、社内で運用を続けるための内製化支援(SODATSU)を行っています。立ち上げ時の競合分析と投稿設計、担当者が分析を継続するための書式づくりなどが相談の対象です。

媒体ごとの進め方はInstagram運用代行のサービスページとTikTok運用代行のサービスページに記載しています。支援の範囲を先に比べたい方は事業内容の一覧を、相談内容が固まっている方はお問い合わせフォームをご利用ください。受付は平日10:00〜19:00です。

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