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工務店のInstagram運用|施工事例の見せ方

工務店のInstagram運用|施工事例の見せ方

結論から書きます。施工事例の投稿が問い合わせにつながらない原因の多くは、写真の質ではなく構成と導線です。きれいな完成写真を並べるだけでは「作品集」で止まります。見る人が自分の家に置き換えられる情報(費用帯・工期・課題と解決)を添え、1投稿につき次の行動を1つだけ示すと、保存や来場予約に動きが生まれます。

この記事は、次の前提の会社を想定して書いています。

  • 商圏が車で30〜60分圏の地域密着型(全国展開ではない)
  • 検討期間が数か月〜数年と長く、即決がほぼない
  • 撮影を現場監督や営業が兼務していて、専任の広報がいない
  • ゴールはフォロワー数ではなく、見学会来場・資料請求・現地調査の依頼

前提が違う場合(分譲中心、全国対応のリノベ通販など)は、後半の商圏設計がそのまま当てはまりません。

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施工事例を問い合わせにつなげる前提と結論

この章の要点

施工事例は「見せる」ではなく「選ぶ材料を渡す」と考えます。完成写真だけでは、価格感も工期も工事中の不安も解消されないためです。

住宅やリフォームの検討者は、依頼先を決める前に「いくらで」「どれくらいの期間で」「工事中どうなるか」「誰が施工するか」を知りたがります。完成写真はそのうち1つにしか答えていません。投稿1本ごとに、答える問いを1つ決めると、構成が自然に決まります。

また、長期検討の商材では、初回接触から問い合わせまでに時間が空きます。すぐ動かない人に向けて「保存」「フォロー」「ハイライト閲覧」という中間の行動を用意しておくと、半年後に思い出してもらえる確率を上げられます。

施工事例は3型に分ける|ビフォーアフター・工程・暮らし方

施工事例を3つの型に分け、月の投稿本数を配分します。全部を1投稿に詰め込むと、どの問いにも中途半端な答えになります。

型 答える問い 形式の目安 入れる情報 投稿で促す行動
ビフォーアフター型 自分の家でもできるか リール15〜30秒/フィード5〜8枚 同アングルの前後、築年数、工期、費用帯(レンジ) 保存
工程型 この会社は信用できるか フィード8〜10枚/リール30〜60秒 解体・下地・断熱・造作など見えなくなる部分、職人の手元 フォロー
暮らし方型 住んだらどうなるか リール20〜40秒(歩きながら動線を1カット) 朝の動線、収納の使い方、採用した理由 見学会予約・DM

ビフォーアフター型の構成テンプレート(企画例)

  1. 冒頭2秒:ビフォーの一番つらい状態
    散らかった状態ではなく、構造や間取りの課題が分かる画角にします。
  2. 3〜8秒:課題の言語化
    「築32年・寒い脱衣室」のように、年数と不満を短文で出します。
  3. 9〜20秒:同アングルのアフター
    前後で画角がずれると説得力が落ちます。撮影位置を記録しておきます。
  4. 21〜28秒:条件の開示
    工期・工事範囲・費用帯を文字で入れます。総額が出せない場合は「◯◯工事のみ/◯〜◯万円台」と範囲と条件を明記します。
  5. 締め:1つの行動
    「似た間取りの事例は保存して比較を」など、行動を1つに絞ります。

キャプションの雛形(企画例)

以下はそのまま流用できる雛形です。自社の条件に置き換えて使ってください。

  • 1行目:地域+築年数+工事内容(例:◯◯市/築28年/水まわり3点+内窓)
  • 2〜4行目:施主の困りごとと、提案した解決策
  • 5〜6行目:工期・工事範囲・費用帯(条件つきで)
  • 7行目:同条件で検討中の人への一言
  • 最終行:次の行動(見学会の日程、プロフィールのリンク先)
見落としやすい点

費用を載せるなら、何が含まれ何が含まれないかを同じ画面内に書きます。「◯万円〜」だけの表示は、実際の見積との差が大きいと不信につながります。景品表示法の観点でも、条件の記載は社内で確認してから出す運用にしてください。

リフォーム後の明るいリビングと木製の床、ソファのある室内
写真:Max Vakhtbovych/Pexels

現場で撮る素材のルールと、監督の負担を減らす手順

撮影が続かない原因は、やる気ではなく「何を撮るか毎回考えている」ことです。カット数を固定すると、1現場あたり5〜10分で終わります。

  1. 撮るカットを5つに固定する
    例:①全景(引き)②課題部分の寄り③工程中の下地④完成の同アングル⑤職人の手元。これ以外は任意にします。
  2. 着工前の「ビフォー5カット」を工程表に入れる
    養生が入る前しか撮れません。工程表のタスクにしておくと撮り逃しが減ります。
  3. 撮影位置を記録する
    床にマーキングするか、1枚目の写真を見ながら同じ位置に立ちます。前後比較の精度が上がります。
  4. 縦向き(9:16)で撮る
    横で撮った素材は、リールに使うと上下が切れます。迷ったら縦で撮り、必要なら後から切り出します。
  5. ファイル名を決める
    「現場コード_日付_工程」で統一し、当日中に共有フォルダへ入れます。月末まとめは破綻しやすい運用です。
  6. 編集と投稿は撮影者以外が担当する
    現場担当に編集まで持たせると止まります。撮る人と作る人を分けます。

画角の注意として、近隣の建物・表札・車のナンバー・郵便物が写り込まないかを撮影時点で確認します。後から気づくと、素材を撮り直す手間が発生します。

OB施主の掲載許諾|確認する項目と掲載範囲の決め方

施工事例は他人の住まいです。工事請負契約の中の一文ではなく、掲載同意を独立した書面で取ると、範囲の認識ずれを減らせます。取るタイミングは、契約時に口頭で説明し、引き渡し前後に書面で確定させる二段構えが実務的です。

確認項目 決めておくこと
掲載媒体 自社サイト/Instagram/チラシ/広告クリエイティブのどこまでか
二次利用 広告配信や他媒体への転載を含むか。含むなら書面に明記する
外観・立地 外観写真の可否、地名の粒度(市区町村まで/町名まで)
人物 家族・子どもの写り込みの可否、顔出しの可否、声の使用可否
期間と撤回 掲載期間、取り下げの申し出先と、申し出から対応するまでの目安
取材 インタビュー掲載の可否、公開前に本人確認を行うか

外観写真・町名・間取り図は、組み合わさるほど住まいが特定されやすくなります。3つのうち出すのは2つまで、といった社内ルールを先に決めておくと、現場ごとに判断に迷いません。子どもが写る素材は、保護者の同意があっても掲載範囲を狭めに設定する会社が多い領域です。

見落としやすい点

撤回の申し出があったとき、残りやすいのは「ストーリーズのハイライト」「広告の審査済みクリエイティブ」「他社ポータルへの転載」「印刷済みの会社案内」です。取り下げの確認先を一覧にしておくと、引き継ぎ時の取りこぼしを防げます。

施主に協力してもらいやすくする工夫

  • 撮影日を引き渡し前に設定し、生活用品が入る前に撮る(施主の片付け負担が減る)
  • 掲載範囲を「選べる形」で提示する(全部OKか全部NGかの二択にしない)
  • 公開前に該当投稿の内容を本人に見せる手順を決めておく
  • 掲載した事例のURLや投稿リンクを施主にも共有する
木材の下地を加工する大工の手元と工事中の現場の様子
写真:GOWTHAM AGM/Pexels

商圏の中に届ける設計|エリア表記と広告の地域指定

施工事例は、商圏外の人に数万回再生されても受注につながりません。見るべきは再生数ではなく、商圏内の人に届いているかです。

  • プロフィール:対応エリアを市町村名で具体的に書きます。「県内全域」より「◯市・◯町を中心に車で40分圏」のほうが、見る人は自分が対象か判断できます。
  • キャプション:地域名を本文に自然に入れます。ハッシュタグだけに頼らず、1行目に地域と工事内容を置きます。
  • 位置情報:施工現場そのものではなく、自社やショールームの位置を使う運用にすると、住まいの特定を避けられます。
  • 広告:Meta広告マネージャの地域ターゲティングでは、市区町村単位の指定や、地図上の地点を中心にした半径指定が使えます。半径は選べる距離に刻みがあるため、商圏の境界が意図とずれないか配信前に地図で確認します。

オーガニック投稿だけで商圏を絞り込むのは難しいため、見学会など日程が決まっている告知は、少額でも広告で地域を指定して配信するほうが読みやすい結果になります。

見学会・資料請求への導線と、長期検討のフォロー

投稿を見た人が次に取れる行動を、プロフィールとハイライトに常設します。毎回の投稿で説明し直す必要がなくなります。

検討段階 見せる型 用意する受け皿 見る指標
情報収集(今は動かない) ビフォーアフター型 保存・フォロー、費用の目安ハイライト 保存数、フォロー数
会社選び 工程型・職人紹介 施工事例一覧ページ、資料請求 プロフィールアクセス、リンククリック
相談直前 暮らし方型・見学会告知 見学会予約、DM、現地調査の申し込み 予約数、DM件数

ハイライトの構成例(企画例)

  • 見学会・イベント(日程と残枠)
  • 費用の目安(工事種別ごとのレンジと含む範囲)
  • 工事の流れ(相談から引き渡しまでの期間)
  • 職人・スタッフ紹介
  • よくある質問(住みながらの工事、工期中の駐車など)

DMへの一次返信テンプレート(企画例)

返信が遅いと熱量は下がります。受付時間を明記したうえで、一次返信で聞く項目を3つに固定します。

  • 対象の住所エリア(市区町村まで)
  • 築年数と工事を考えている箇所
  • 検討時期の目安(3か月以内/半年以内/未定)

「未定」と答えた人には、見学会の案内とハイライトの該当箇所を送って終わりにします。即商談に持ち込もうとすると離脱が増えます。長期検討の商材では、月1回の定例見学会のように日程が固定された受け皿があると案内しやすくなります。

社内と外注の切り分け|月あたりの工数を試算する

現場に入れるのは自社の人間だけです。撮影は社内、構成と編集は外部、という分け方が現実的な場合が多くなります。判断材料として、月8本(リール4本+フィード4本)を想定した仮定に基づく試算を置きます。実際の時間は体制や編集の重さで変わります。

作業 想定量 月の想定時間 担当の候補
現場での撮影 8現場×10分 約1.5時間 現場監督・営業(社内)
素材の選定・構成づくり 8本×15分 約2時間 社内または外注
編集(リール) 4本×60分 約4時間 外注しやすい
編集(フィード) 4本×30分 約2時間 外注しやすい
投稿・コメント/DM対応 月間 約5時間 社内(受注に直結するため)
月次の振り返り 月1回 約1時間 社内+外注で共有

この想定だと合計は約15.5時間です。編集6時間を外に出すと社内は約9.5時間になり、週2〜3時間の枠で回せる計算になります。DM対応だけは社内に残すのが基本です。見積や工期の回答は、現場を知る人でないと返せないためです。

どこまで社内でやるかを決めたうえで、撮影ルールの整備と編集の外注範囲を相談したい場合は、Instagram運用代行のサービス内容と、内製化支援SODATSUを含む事業内容の一覧をご覧ください。他業種での進め方は支援実績・事例に掲載しています。検討材料として手元で見たい場合は資料ダウンロードからどうぞ。

株式会社友竹ホールディングスは、IT・コンサルティング・クリニック・店舗・飲食など累計750社の支援実績があります。自社の現場体制で何を社内に残すべきか迷う段階でも、お問い合わせから相談いただけます(受付時間:平日10:00〜19:00、土日祝・年末年始を除く)。

公開前に確認する項目

  • この投稿が答える問いは1つに絞れているか
  • 費用・工期を載せる場合、含む範囲と条件を同じ画面に書いたか
  • 施主の掲載同意の範囲内か(媒体・外観・人物・地名の粒度)
  • 近隣や表札、車のナンバーが写っていないか
  • 商圏が分かる地域名がプロフィールと本文にあるか
  • 次の行動(保存・見学会・DM)が1つだけ書かれているか
  • リールの尺や仕様は変更されることがあるため、投稿画面の上限表示を確認したか

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