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撮影台本の作り方|素人でも撮れる構成

撮影台本の作り方|素人でも撮れる構成

結論から書きます。社内撮影で使う台本は、セリフ集ではなく撮影の指示書です。出演者が何をしゃべるかより、どこで・誰が・何を・何秒映すかを先に決めます。これが決まっていれば、撮影経験のない社員でも手が止まりません。

この記事は、15〜60秒の縦型動画を自社スタッフが撮る場面を前提にしています。カメラはスマートフォン、出演は社員1〜2名、編集は社内またはテロップ程度の外注、という体制を想定しました。長尺のインタビューやCM撮影には、そのまま当てはまらない部分があります。

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台本に書く6項目|セリフより先に決めるもの

台本の1行目はセリフではありません。撮影者が迷う順に項目を並べます。次の6つが埋まっていれば、当日の判断はほぼ不要になります。

  1. この動画で見た人に起きてほしいこと
    保存・来店・応募・問い合わせのどれかを1つだけ書きます。2つ書くと締めのセリフがぼやけます。
  2. 尺と投稿先
    「30秒・リール/TikTok兼用」のように書きます。媒体ごとの仕様は変わるため、投稿前に各社の公式ヘルプで上限と比率を確認してください。
  3. 冒頭2秒で映すもの
    最初の画と、画面に出す文字を決めます。ここだけは言葉も指定します。
  4. カット割り
    1カットあたりの秒数、撮影場所、画角、映す対象を行で分けます。
  5. 声とテロップの分担
    声で言うこと、文字で出すことを分けます。両方に同じ情報を入れると冗長になります。
  6. 締めで出す導線
    「プロフィールのリンクから予約」など、見た人の次の動作を1文で書きます。
この章の要点

台本の目的は、撮影当日に「どうしましょうか」という相談を発生させないことです。迷いそうな箇所を先回りして文字にします。

尺配分の決め方|冒頭2秒・本編・締めの割り当て

尺は感覚で決めず、先に区間へ割り振ります。下の表は、縦型・音声ありの社内撮影を想定して作成した企画例です。実績値ではなく、配分の出発点として使ってください。

区間 15秒の例 30秒の例 60秒の例 この区間で書くこと
冒頭(フック) 0〜2秒 0〜2秒 0〜3秒 画+短いテロップ+第一声。言葉を一字一句指定する
前提の提示 なし 2〜6秒 3〜10秒 誰向けの話かを一言。省略すると離脱が増えやすい
本編 2〜12秒
(2〜3カット)
6〜25秒
(3〜4カット)
10〜50秒
(5〜7カット)
見せる順番。1カット3〜8秒を目安に区切る
締め 12〜15秒 25〜30秒 50〜60秒 次の動作を1つだけ。余白を1秒残す

冒頭2秒に入れるのは、結論・意外な画・対象の指定のいずれかです。「こんにちは、◯◯です」から始めると、自己紹介で2秒を使い切ります。名乗りは前提の提示の区間へ移すと、冒頭を内容に使えます。

見落としやすい点

尺を決めずに撮ると、素材は長くなり編集で削る作業が増えます。カットごとの秒数を台本に書いておくと、撮影時点で長さの判断ができます。逆に、編集で足せないのは「撮っていない画」です。締めの画は必ず撮っておきます。

三脚に固定したスマートフォンで室内を縦向きに撮影している様子
写真:Artem Podrez/Pexels

カット割りと撮影場所の書き方|1行1カットで並べる

カット割りは表で書きます。1行が1カットです。撮影者は上から順に消し込むだけで進められます。下は30秒・スタッフ紹介の企画例です。

No. 秒数 場所・画角 映すもの・動き 声/テロップ
1 0〜2秒 店内入口・ひざ下から見上げ スタッフがドアを開けて入る テロップ「入社3か月、何してる?」
2 2〜6秒 カウンター前・胸から上 正面を向いて話す 声「◯◯店の△△です。入社3か月です」
3 6〜14秒 作業台・手元に寄る 準備作業の手元 声なし/テロップで作業名
4 14〜25秒 バックヤード・全身 先輩と2人で会話 声(自由)/質問だけ指定
5 25〜30秒 店内入口・正面 2人で手を振る テロップ「見学の予約はプロフィールから」

場所の欄は「店内」ではなく「店内入口」まで書きます。画角は「ひざ下から見上げ」「胸から上」のように、構える高さと写る範囲で指定すると共有しやすくなります。専門用語を使う必要はありません。

同じ場所のカットは、台本の順番と撮影の順番を分けます。No.1とNo.5が同じ入口なら、まとめて撮って移動回数を減らします。台本に「撮影順:1→5→2→3→4」と1行添えておくと、現場で並べ替える手間が省けます。

セリフを書く場面と、書かない場面の線引き

全文を書くと棒読みになり、何も書かないと撮り直しが増えます。情報の正確さが要る箇所だけ書く、という分け方が実務的です。

場面 書き方 理由
冒頭2秒の第一声 一字一句書く 言い回しで視聴の継続が変わる。撮り直しも最小で済む
価格・期間・条件 一字一句書く 言い間違いが誤認につながる。数字は台本の数字をそのまま読む
サービス名・資格名・社名 一字一句書く 省略形や通称が混ざると表記が揺れる
締めの導線 一字一句書く 次の動作を1つに絞るため
作業や商品の実演 書かない(テロップで補う) 説明しながらの作業は手が止まりやすい
スタッフ同士の会話 質問だけ書く 答えを決めると不自然になる。質問を3つ用意して多めに回す
お客様が登場する場面 書かない 撮影と公開の可否を事前に確認し、確認した範囲だけを使う

医療・美容・金融など、表現に決まりがある分野は別です。効果や結果に触れる言い回しは、所管のガイドラインや社内の法務確認を通した文言を台本に貼り付け、現場で言い換えないルールにしておきます。

1枚で済む台本テンプレートの項目

台本は1本につきA4横1枚に収めます。複数ページに分かれると、撮影中に見返されなくなります。次の3ブロックで構成します。

ブロック1:ヘッダー(6行)

  • タイトル/撮影日/投稿予定日
  • 投稿先と尺(例:リール・30秒)
  • 見た人に起きてほしいこと(1つだけ)
  • 出演者と撮影担当の名前
  • 撮影場所と撮影順
  • 参考にする既存投稿のURL(1本)

ブロック2:カット表

前章の表と同じ5列です。行数は本編のカット数+2程度に収めます。行が10を超えるときは、尺に対してカットが多すぎる可能性があります。

ブロック3:撮影前チェックと備考

  • 音の確認(空調・BGM・厨房音を切れるか)
  • 背景に映ってはいけないもの(書類、他社名、個人が特定できるもの)
  • 服装と名札の有無
  • 縦位置で撮る/上下の文字が重なる範囲を空ける
  • 出演者の公開可否を本人に確認済みか

この3ブロックをスプレッドシートの1シートにして、社内の共有フォルダに置きます。新しい企画は複製して使い回す運用にすると、書式を毎回考えずに済みます。

机に広げた資料を見ながら打ち合わせをする二人のスタッフ
写真:Muhammad Jawadur Rahman/Pexels

撮影当日の使い方と、撮り直しを減らすチェック

台本は印刷して現場に置くか、撮影者以外の1名がスマートフォンで開いて読み上げます。撮影者が台本を見ながら撮ると、画面の確認がおろそかになります。

  1. 撮影前に1分で読み合わせる
    出演者と撮影者で、カット番号と秒数だけを声に出して確認します。
  2. 各カットを2テイク撮る
    1テイク目で止めず、同じ内容をもう1回撮ります。編集時の選択肢になります。
  3. 録画の開始と終了に2秒ずつ余白をつくる
    話し終わってすぐ止めると、語尾が切れた素材になりがちです。
  4. カットごとにその場で再生する
    音が入っているか、手ブレ、ピント、背景の映り込みを見ます。
  5. 台本のカット表に消し込みを入れる
    撮り終えた行に印をつけます。撮り忘れは、この印の有無で防げます。
  6. 解散前に締めの画を確認する
    締めだけ撮り直しに行く事態を避けるため、最後に全行の印を見ます。
見落としやすい点

撮り直しの多くは、演技ではなく環境が原因です。空調の音、逆光、画面上下にテロップやUIが重なる構図。この3つを撮影前のチェックに固定しておくと、同じ失敗の繰り返しを減らせます。

外注へ渡すときの形式と、内製と外注の線引き

編集や撮影の一部を外部に頼む場合、台本の渡し方で修正回数が変わります。口頭説明を前提にせず、ファイルだけで伝わる状態にします。

  • 台本はスプレッドシートかPDFの1枚。編集可否の権限も決めて共有する
  • 素材のファイル名にカット番号を入れる(例:cut03_手元.mp4)
  • 参考動画は1〜2本のURLに絞り、どこを参考にするかを一言添える
  • 使用してよいロゴ・フォント・BGMの置き場所を同じフォルダにまとめる
  • 避けたい表現や言い換えが必要な語を一覧にしておく
  • 納品形式(比率・尺・字幕の焼き込み有無)と修正の回数を先に合意する

引き継ぎの手順をこの形で決めておくと、担当者が替わったときの取りこぼしを防げます。

社内で書ける範囲と、外に任せた方が早い範囲

作業 社内で書きやすい 外部に任せると早いことが多い
企画の種(現場のネタ、よくある質問) ◯ 現場にしか無い情報が多い -
カット割りと撮影場所の指定 ◯ 場所と動線を知っている -
冒頭2秒の言い回し △ 型が無いと時間がかかる ◯ 型の提供と添削が中心
台本フォーマットの整備 △ 初回は設計に時間がかかる ◯ 1度作れば社内で回せる
編集・テロップ・書き出し △ 本数が増えると負荷が偏る ◯ 本数が多いほど差が出やすい
投稿後の数値確認と改善 ◯ 判断は社内で持つ方がよい △ 見る指標の設計は相談できる

目安として、月4本までで撮影も編集も社内で回せているなら内製を続け、本数を増やす段階でフォーマットの整備や編集から外に出すと、現場の負担が偏りにくくなります。

台本の型づくりから社内で回せる体制にしたい場合は内製化支援SODATSUを含む事業内容のページを、撮影や編集を部分的に任せたい場合はInstagram運用代行のページやTikTok運用代行のページをご覧ください。自社の体制でどこまで内製できるか判断したいときは、お問い合わせフォームから現在の撮影本数と担当者数をお知らせいただくと、話が早く進みます。

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