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TikTok採用広告とは?費用・ターゲティング・運用手順

TikTok採用広告とは?費用・ターゲティング・運用手順

先に結論です。TikTok採用広告は、TikTokアプリの「おすすめ」フィードなどに縦型動画を配信し、求人ページや応募フォームへ誘導する運用型広告です。TikTok広告マネージャーのヘルプによると、予算の下限はキャンペーンと広告セットのそれぞれに設定されています(下限額は通貨・国によって異なるため、広告マネージャーの画面でご確認ください)。つまり金額の下限は低く、少額からでも配信自体は始められます。

ただし「出せる」ことと「応募が増える」ことは別です。この記事では、課金の考え方、ターゲティングで設定できる項目、応募導線の作り方、1応募あたり単価の試算手順、止めどきの基準、オーガニック運用との配分までを順に整理します。前提として、読者は若手採用に苦戦している中小企業の採用担当者・経営者を想定しています。

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TikTok採用広告の配信面と課金の考え方

まず、何がどこに出て、何に対してお金がかかるのかを押さえます。

配信面は運用型が中心

採用用途で現実的なのは、広告マネージャーから入稿する運用型のメニューです。おすすめフィードの動画の間に差し込まれる形式が基本で、既存のオーガニック投稿をそのまま広告配信する方法(Spark Adsと呼ばれる形式)もあります。すでに反応のよい採用動画がある場合は、新規に広告用動画を作らず、その投稿を広告に回す選択肢があります。

配置は自動と手動を選べます。自動にするとTikTok以外の提携アプリ面にも配信される場合があるため、採用の初回検証ではTikTok面に限定して、数値の読み違いを減らす方法もあります。なお、全面ジャックのような予約型メニューは出稿金額の規模が大きく、中小企業の採用予算では対象外になることがほとんどです。

課金は「表示」か「クリック」が基礎

運用型広告の支払いは、表示回数ベース(1,000回表示あたりの単価=CPM)か、クリックベース(1クリックあたりの単価=CPC)が基礎になります。コンバージョン獲得を目的に設定した場合は、システムが応募につながりやすい人へ配信を寄せたうえで、表示回数ベースで課金される形になります。

選ぶ目的 最適化される対象 採用での使いどころ
リーチ・動画視聴 表示回数、視聴数 社名の認知がゼロで、まず知ってもらう段階
トラフィック リンクのクリック 求人LPへの送客量を確保したい段階
リード獲得 フォーム送信 自社LPがなく、TikTok内のフォームで受けたい場合
コンバージョン LP上の応募完了 計測が設定済みで、応募数が一定量たまる場合
見落としやすい点

コンバージョン最適化は、成果データが一定量たまらないと配信が安定しません。月に数件しか応募が出ない規模なら、応募完了ではなく「LP到達」「フォーム入力開始」など、件数が出る中間地点を最適化対象に置いたほうが運用しやすくなります。

費用はいくらから?下限と、現実的な検証予算

TikTok広告マネージャーのヘルプでは、予算の下限はキャンペーンと広告セットのそれぞれに設定されています。下限額は通貨・国によって異なるため、実際の金額は広告マネージャーの画面でご確認ください。

ただしこれは「システムが受け付ける下限」であり、判断材料が集まる金額ではありません。採用の場合、動画を3〜5本比較して勝ち負けを見るには、1本あたりに数万円は配信を通す必要があります。検証を1か月で回すなら、月20万〜40万円程度を一つの目安として考えると設計しやすくなります。

1応募あたり単価の試算手順

金額の妥当性は、応募単価に落として判断します。計算の順番は次のとおりです。

  1. 表示回数を出す
    広告費 ÷ CPM × 1,000 = 表示回数
  2. クリック数を出す
    表示回数 × クリック率(CTR)= 求人ページへの流入数
  3. 応募数を出す
    流入数 × 応募完了率 = 応募数
  4. 応募単価を出す
    広告費 ÷ 応募数 = 1応募あたりの広告費
  5. 採用単価に変換する
    応募単価 ÷(面接実施率 × 内定率 × 承諾率)= 入社1人あたりの広告費

以下は月30万円を投じた場合の仮定に基づく試算です。実際の支援実績ではなく、各指標を動かすと応募単価がどう振れるかを示すための計算例です。

条件 保守的 標準 好調時
広告費(月) 30万円 30万円 30万円
CPM(仮定) 1,200円 1,000円 800円
表示回数 25.0万回 30.0万回 37.5万回
クリック率(仮定) 0.5% 0.8% 1.2%
求人ページ流入 1,250 2,400 4,500
応募完了率(仮定) 1.0% 1.5% 2.0%
応募数 約12件 約36件 約90件
1応募あたり広告費 約25,000円 約8,300円 約3,300円

同じ30万円でも、応募単価は7倍以上開きます。差が出るのはCPMではなく、クリック率と応募完了率という、自社でつくり込める2か所です。ここを動かす打ち手が、動画のクリエイティブと求人ページの改善になります。

入社まで換算する場合は、歩留まりを掛けます。応募100件に対し面接実施30件、内定5件、承諾3件なら、入社1人あたりの広告費は応募単価の約33倍です。標準パターンの8,300円なら約27万円。この数字を、人材紹介の手数料や求人媒体の掲載料と並べて比べます。媒体ごとの費用構造の違いは採用にSNSを使うときの費用と求人媒体の比較記事で整理しています。

若手社員が会議室で打ち合わせをしている様子
写真:Thirdman/Pexels

ターゲティングで設定できる項目と、採用での絞り方

TikTok広告マネージャーのヘルプでは、ターゲティングの軸としてデモグラフィック、オーディエンス、興味&行動などの高度なターゲティング、デバイス、スマートターゲティングが挙げられています。同じ軸の中で複数選ぶとOR(いずれかに該当)、異なる軸をまたぐとAND(すべて満たす)で絞り込まれます。

設定項目 選べる内容 採用での使い方
年齢 13〜17/18〜24/25〜34/35〜44/45〜54/55歳以上から選択(無制限も可) 新卒・第二新卒なら18〜24と25〜34を分けて広告セットを作る
性別 男性/女性/すべて 職種の実態に応じて検討。募集条件としての制限とは切り分ける
地域 国・都道府県・市区町村 通勤圏に限定。隣接県を別セットにして反応差を見る
言語 ユーザーの言語設定 日本語に限定するか、外国人採用なら別途設計
興味&行動 関心カテゴリ、直近の視聴・エンゲージ行動 職種に近い領域(美容、建設、ゲームなど)で初回の当たりを探す
カスタム/類似 サイト訪問者、動画視聴者などを元にした配信 採用LPを見た人への再配信、応募者に似た層への拡大

採用で最初に触るのは地域と年齢だけでよい

初回は、地域と年齢の2軸だけ設定し、興味関心は広めに開ける設計が扱いやすくなります。理由は3つです。

  • 条件を重ねるほど配信対象が減り、1日20ドル規模では配信量が確保しにくい
  • 採用の応募動機は興味カテゴリと一致しないことが多く、絞りが外れやすい
  • 広く配信したほうが、どの層が反応したかをレポートで後から確認できる

カスタムオーディエンスは有効ですが、利用には一定のユーザー数(1,000件程度)が必要とされています。つまり初回から再配信は組めません。まず通常配信でサイト訪問者をため、2か月目以降に再配信を足す順番になります。

見落としやすい点

TikTokは、18歳未満を含むオーディエンスへの配信について、地域によって利用できないターゲティングやキャンペーンのオプションがあると案内しています。高校生アルバイトの募集などで13〜17歳を含める場合は、設定前に広告マネージャー上の制限を確認してください。また、広告配信の年齢設定と、求人の応募資格としての年齢制限は別の話です。募集・採用における年齢制限は法令上原則禁止とされ、例外事由が定められています。広告文に年齢や性別の条件を書く場合は、所管の資料や社労士に確認する手順を入れておくと、後からの差し替えを減らせます。

応募導線:どこで受けるかを先に決める

広告の良し悪しより先に、応募の受け皿で結果が決まります。選択肢は3つです。

受け皿 向く条件 注意点
自社の求人LP 職種が複数ある/労働条件を詳しく出したい 制作と改修に時間と費用がかかる
TikTok内のフォーム(リード獲得) LPがない/まず母集団を広げたい 入力が簡単な分、志望度の低い応募も混ざる
プロフィール経由でDM・リンク オーガニック運用と一体で見せたい 離脱が増え、どの動画の成果か追いにくい

応募数を優先するならフォーム、面接の質を優先するならLPです。両方を別の広告セットで同時に回し、応募単価と面接実施率の両方を比べる進め方もあります。

計測を先に通しておく

  1. 計測タグを設置する
    求人LPに計測用のタグを入れ、応募完了ページでイベントが記録される状態にします。
  2. テスト送信で確認する
    自分で1件応募し、管理画面に記録が上がるかを配信開始前に確かめます。
  3. 流入元を区別する
    URLにパラメータを付け、応募管理表に「TikTok広告」と記録される形にします。
  4. 応募後の歩留まりも同じ表で管理する
    面接設定、実施、内定、承諾まで同じ行で追えると、採用単価まで出せます。

ここを飛ばすと、広告の数字と採用管理の数字が合わず、継続判断ができなくなります。

クリエイティブは何本用意し、どう入れ替えるか

採用広告で最も差がつくのは動画です。1本を長く回すのではなく、複数本を同時に走らせて勝ち筋を探します。

初回に用意する4本の企画例

以下は、自社で組み立てる際の企画例です。実在企業の事例ではありません。

  • 1日の流れ:入社2年目社員の出社から退勤までを15秒で。働く時間帯が伝わる
  • 仕事内容の実演:実際の作業を無言で見せる。職種のイメージ違いを減らす
  • 条件の提示:給与レンジ、休日、勤務地を冒頭2秒でテロップに出す
  • よくある質問への回答:未経験可か、残業はどれくらいか、に社員が答える

冒頭2秒で「誰に向けた募集か」が分からないと、採用に関心のない層が離脱して単価が上がります。地域名や職種名を最初の画面に入れるだけで、クリック率が動くことがあります。

30日の検証サイクル

  1. 1〜7日目:配信を触らない
    学習が進む前に止めると比較ができません。極端な不調以外は様子を見ます。
  2. 8日目:クリック率で足切り
    他より明らかに低い動画を停止し、予算を残りに寄せます。
  3. 15日目:応募数で判断
    クリックはあるのに応募がゼロなら、原因は動画ではなく求人ページ側です。
  4. 22日目:勝ち動画の派生を作る
    伸びた1本の冒頭やテロップだけ変えた版を2本追加します。
  5. 30日目:応募単価を集計
    目標値と比べ、翌月の予算と配分を決めます。

動画の企画と撮影の進め方はTikTok採用で応募が増えるアカウントの型をまとめた記事も参考になります。

三脚に固定したスマートフォンで縦型動画を撮影する様子
写真:Christian Owens/Pexels

続けるか止めるかの判断基準

撤退基準を事前に決めておくと、感覚での判断を避けられます。目標応募単価を先に置くことが出発点です。目標は「採用1人あたりに払える上限 × 承諾までの歩留まり」で逆算します。

時点 見る指標 判断と打ち手
7日 表示回数、クリック率 配信量が出ていなければターゲティングを広げる
14日 求人ページ到達数、応募数 到達はあるのに応募ゼロならページを改修する
30日 応募単価 目標の2倍を超えるなら、動画か受け皿を作り直す
60日 面接実施数、採用単価 応募は出ても面接につながらないなら条件提示を見直す

止める判断は、2か月目の終わりに一度置くのが現実的です。1か月では動画の勝ち負けしか分からず、採用単価まで評価できないためです。逆に、3か月以上同じ設定で単価が改善しない場合は、広告ではなく求人条件そのものが市場と合っていない可能性を検討します。

オーガニック運用との予算配分をどう決めるか

広告とアカウント運用は役割が違います。広告は「今すぐ届ける量」を買うもの、オーガニックは「応募前に見られる材料」を積むものです。広告を見た人の多くは、応募前にアカウントを見にきます。投稿が1本もないアカウントだと、そこで離脱が起きます。

状況 広告の比率 オーガニックの比率 考え方
急募がある(3か月以内に充足したい) 7割 3割 まず母集団を買う。投稿は週1本で最低限の実在感を出す
通年採用で、来年も続ける 5割 5割 広告で検証した勝ち企画を、そのまま投稿に転用する
採用広報を積み上げたい 3割 7割 投稿で本数を作り、反応のよい1本だけ広告配信に回す

配分を決める基準はシンプルです。充足までの期限が短いほど広告の比率を上げ、長いほど投稿の比率を上げます。なお、オーガニックで反応のよかった投稿を広告に回す流れは、新規に広告用動画を作るより制作コストを抑えられます。

審査と求人表示で落ちやすい点

広告はTikTok側の審査を通る必要があり、加えて求人広告としての法令上の義務もあります。この2つは別物です。

広告審査で引っかかりやすい表現

  • 収入や待遇を根拠なく強調する表現(「誰でも高収入」など)
  • 実際の業務内容と離れた職種名を使うこと
  • 応募をあおる断定的な言い回しや、過度な限定表示
  • 音源・写真・社員の肖像について、使用許諾が取れていない素材

社員が出演する動画は、退職後の扱いを含めて書面で同意を取る手順を決めておくと、差し替え作業の手戻りを防げます。

求人情報として明示が必要な労働条件

厚生労働省の資料によると、労働者の募集にあたっては、業務内容、契約期間、試用期間、就業場所、就業時間、休憩・休日、賃金、加入保険、募集者の名称などを明示する必要があります。さらに2024年4月1日施行の改正職業安定法施行規則により、次の3項目が明示事項に追加されました。

  • 従事すべき業務の変更の範囲
  • 就業の場所の変更の範囲
  • 有期労働契約を更新する場合の基準(通算契約期間または更新回数の上限を含む)

15秒の動画にこれらをすべて入れるのは現実的ではありません。厚生労働省の資料では、募集広告のスペースの都合ですべてを明示できない場合、その旨を記載したうえで別途明示する取り扱いが示されています。実務上は、動画では職種・勤務地・給与レンジにとどめ、遷移先の求人ページに全項目を記載する形が組みやすくなります。

あわせて、掲載した情報を正確かつ最新の内容に保つ義務もあります。募集を終えた職種の広告を止め忘れないよう、停止の担当者と確認日を決めておいてください。

自社で回すか、外部に任せるか

判断材料は、月あたりに確保できる社内工数です。広告運用そのものは週1〜2時間で回せますが、動画の撮影・編集に月4本で10〜20時間はかかります。採用担当が兼任で確保できる時間を数え、足りない部分だけを外に出すのが現実的です。

社内で確保できる工数 現実的な進め方
月5時間未満 動画制作と広告運用をまとめて外部へ。社内は出演者の調整と応募対応に集中
月10〜20時間 撮影は社内、編集と広告設定は外部。素材が増え、検証本数を確保しやすい
月30時間以上 内製を前提に、初期の設計と最初の3か月だけ伴走を受ける

株式会社友竹ホールディングスでは、Instagram・TikTokの運用代行と動画制作、内製化支援(SODATSU)を行っています。採用広告とアカウント運用をどう組み合わせるか、クリエイティブを月に何本つくるかといった設計から相談できます。支援範囲はTikTok運用代行のサービスページと事業内容の一覧をご確認ください。自社の求人条件と予算で応募単価がどのくらいになりそうか整理したい場合は、お問い合わせフォームから現在の採用課題をお知らせください。受付時間は平日10:00〜19:00です。

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